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『日本と原発』
日本と原発
フォーラム福島にて、2月7日から1週間上映されます。
初日はシンポジウムも同時開催だったので、満員盛況でした。
311によって表に出る事になった原発の様々な事案に触れているので、2時間超の映画になっています。
ちょっと詰め込み過ぎではとも思いました。 ただ、河合氏の溢れる想いが出ての事なのだろうというのは、シンポジウムでの氏の挨拶からも分かります。特に首都圏在住の人がこの映画を観ることで、全然終わっていない事故の事を認識してもらえばと思います。
次の日にそのシンポジウムについて報じたのは朝日新聞福島版だけでした。
映画「日本と原発」上映会とシンポ
「原発ノー」の先は?福高生の質問で白熱 – 朝日新聞デジタル
魚拓
上映後のシンポジウムで盛り上がった話題は、高校生2人から出た疑問でした。
パネリストの高校生からは、映画を観てテーマを理解しつつも、「モヤモヤ」としたものが残る。言葉に出来ない「それ」が何かを確認できれば、というような話から始まりました。それがより具体的な問いになったのが、朝日新聞福島版が取り上げた「その先」という事でした。それに対して、壇上のパネリスト、そしてシンポジウム参加者も新たな質問を投げかるのではなく、高校生に対してそれぞれの持論を展開して答えていきました。
そして、もう一人の高校生からは、再生可能エネルギーを軸とした独立の電力会社を作って既存の電力会社(の原発)と対峙するのは、社会的に過剰な対立軸を増やすだけではないのか?という問いがでました。
それぞれに時間が足りなく、高校生達に納得できるような答えは提示できなかったと思います。こういうシンポジウムは時間設定が難しいです。
高校生から「モヤモヤ」という話が出た時に直感的に思ったのが、彼ら高校生が感じる違和感は「市民運動」という物ではないか?ということです。
電力会社と対立という話にしても、民間会社なのだから、市場原理として競争するのが当たり前で何も不思議な話ではない。その質問をした高校生は「私は原発肯定でも否定でもありません」と前置きしていたので、再生可能エネルギーで新会社を興すところが資本主義的な競争をしたくて会社を興すのではなく、イデオロギーの対立としてやっているという違和感を感じているのではないか。
これは、質問者が地域独占の民間企業という物の不健全さを理解しているというのを前提としているので、私の考え過ぎの線もあります。あっさり、そこら辺の説明をしたら納得してくれるかもしれません。でも、そういったところではないような気がする、というのがあの場での正直な感想です。
そんな事も含め、普段話し合う事がないだろう世代が意見を出し合うという貴重な場でもありました。次は、同じくフォーラム福島で3月7日より「小さき声のカノン」が上映開始され、同日には哲学カフェ特別編が開催されます。
再び、福島市でなかなか語られる事のない話題が熱く語られるだろう事を期待します。
(あべひろみ)
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