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雑記

20163/2

「大地を受け継ぐ」

 この映画は、樽川和也さんの語りだけで86分が進んでいく。その語りから感じる迫力に、奥崎謙三氏の姿を追ったドキュメンタリー映画「ゆきゆきて、神軍」を思い出した。「ゆきゆきて、神軍」では、奥脇謙三という人の行動にひきこまれたが、この映画では樽川さんの語りにひきこまれることになる。
 樽川さんが語る内容はいくつかのパートがあり、前半は東京電力福島第1原子力発電所の事故後、まもなく父親を自死でなくしたこと、そして、東京電力に事故との因果関係をめぐって裁判を起こし和解したことが語られる。後半は、タイトルにもある先祖伝来の「大地を受け継ぐ」ということについて話しが収束していく。しかし、その中身は「大変なことがあったけれども跡を継ぐ」というような、耳に心地のいい言葉だけでは終わらない。
 樽川さんはこう語る。「確かに現在作る野菜にはセシウムの移行はほとんどないが、そのために畑仕事をする自分たちは被曝をするのだ」「風評被害で福島県産が忌避されるのではない。原発事故という原因があって、それに起因するのだから根も葉もない評判によって起こる風評被害ではない。消費者がそういうことで買わないのは分かる。自分だって検査でセシウムが出なくても、食いたくない」と。しかし、そういうことも含めて、八代続くこの土地を受け継いでいくことを表明して映画はラストへと向かう。
 0か1かとデジタルに割り切れない複雑な心情。そして、福島県産の農産物が売れないことについても消費者の無理解と断じるだけではない。検査を通じて福島産が一番安全だと自負しつつ、忌避する消費者の心情も理解するという多重性。これは、しょせん1分40秒のニュースや600文字の新聞記事ではくみ取れるものではない。86分のドキュメンタリー映画だからできることだ。
 そして、編集をできるだけ省いた構成は、樽川さんの語りを出演者と一緒に体験させるライブ感覚の再現に見事に成功している。出演者は今後この体験をどのように生かすのか?と同じように、観客も自分のこととして考えることになる。タイトルが映画の最後に出るのは、この続きはそれぞれが受け継いで考えるということを示している。私たちは、大地を受け継ぐことができるのか?
                                 (あべひろみ)


2015年/日本/カラー/HD/86分
監督:井上淳一
福島第一原発の事故後、福島で苦悩しながら農業を続ける家族と東京の若者たちとの対話を描いたドキュメンタリー。2011年3月24日、原発事故を受け、農作物出荷停止のファックスが届いた翌朝、福島県須賀川市で農業を営む1人の男性が自ら命を絶った。残された息子の樽川和也さんは、母の美津代さんと畑を耕し続けている。東京からやって来た学生たちを前に、汚染された土地の作物を流通させる生産者としての罪の意識、東京電力との戦いなど、終わりが見えない現在進行形のさまざまな葛藤が語られていく。


朝日新聞が樽川和也さんを取材した記事
(東日本大震災5年)償えないもの 福島県須賀川市で農業を続ける、樽川和也さん:朝日新聞デジタル
魚拓

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