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台風19号による、粉塵について
この度の台風19号により、被災された方々には心からお見舞い申しあげるとともに 復旧に尽力されている皆さまには安全に留意され活動されることをお祈りいたします。
今回は、復旧作業を進めるにあたって気になることを書き留めておきます。
福島市のサイトでは見当たらなかったのですが、自治体によっては河川が氾濫した際の復旧作業についての注意点をまとめた上で公開しています。例としては、下記のようなページを大阪市が公開しています。
大阪市西淀川区:浸水後の衛生対策について https://t.co/pZityxxReX
— ふくしま30年プロジェクト (@info_fukushima) October 14, 2019
上記ページは大阪市ということもあり、下水などの汚水による衛生対策のみになっています。しかし、東日本地域においては、東電福島第一原発事故によって環境中に放出された放射性物質を含む土壌についても、注意を払わねばなりません。
現状の土壌中の放射性物質(主にセシウム)は、粘土質の土壌に吸着して容易に再浮遊する状況にはありません。ところが、今回のように河川の氾濫によって大量の泥が発生したとき、特にそれが床上浸水の場合は、泥が乾燥しての粉塵で、それに付着した放射性物質が容易に舞いやすくなっています。その結果、第一原発事故初期のように放射性物質を吸い込む可能性が高くなります。細菌などにによる食中毒や感染症に加え、放射性物質による内部被ばくのリスクを低減するためにも、マスク(可能なら3M N95などの防塵マスク)やゴーグル、ゴム手袋をつけて作業を行うことを推奨します。
土壌中の放射性セシウムの濃度については、「みんなのデータサイト」で公開している土壌プロジェクトマップが一つの指標になると思います。土壌プロジェクトマップで、2019年時の放射性セシウム濃度が高い地域で泥だしや清掃を行う際の参考としてください。
また、これまでも、環境省が除染土壌を盛土として再生使用する施策の安全性について懸念がありましたが、今回の災害で、やはり再考の必要があることが確認されたと思います。
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