アーカイブ

助成団体

「5」のつく日。JCBで復興支援

このサイト作成には、
「一食(いちじき)福島復興・被災者支援」事業の助成の一部を使用しています。

放射能測定支援

未来の福島こども基金
未来の福島こども基金

株式会社カタログハウス
週刊通販生活

プレマ株式会社(プレマ基金)
プレマ株式会社(プレマ基金)

福島県有機農業ネットワーク
福島県有機農業ネットワーク

市民放射能測定データサイト
みんなのデータサイト

© 認定NPO法人 ふくしま30年プロジェクト All rights reserved.

汚染土(1キロ当たり8000ベクレル以下)の再利用決定

 6月30日に環境省は、東京電力福島第1原子力発電所事故(以下、第1原発事故)に伴う除染によって保管された汚染土が、1キロ当たり8000ベクレル以下になった場合、道路整備などで再利用する基本方針を決定しました。これは、上記事故が起きてから制定された「放射性物質汚染対処特別措置法」にもとづいて決定した方針です。「放射性物質汚染対処特別措置法」では、8000ベクレル超を指定廃棄物と指定し、8000ベクレル以下を「問題なく廃棄処分できる基準」としています。
 この法律とは別に、事故前からある「原子炉等規制法」では、原発解体で出た金属などの安全に再利用できる基準を、放射性セシウム1キロ当たり100ベクレルと定めています。「除染土壌の取り扱いについて - 指定廃棄物の行方  その2 –」で、除染後の土壌の取り扱いの問題に触れたときに、この二つの法律が齟齬を起こしていることについて取り上げました。今回の環境省の方針決定は、原発から100ベクレルを超えるものを持ち出すのは禁止だが、第1原発事故によって汚染された土壌は8000ベクレルまで再利用が可能という、明らかに矛盾を抱えたものです。
 環境省もそのことを自覚しているらしく、非公開の会合でこの件について議論したことが毎日新聞のスクープ報道で判明しました。この非公開会合は「放射線影響安全性評価検討ワーキンググループ」といい、「8000ベクレルを汚染土再利用の上限値とするための理論武装の場となった」とあります。この中で、JAEA担当者から「例えば5000ベクレル(の汚染土)を再利用すれば100ベクレルまで減衰するのに170年。盛り土の耐用年数は70年という指標があり、供用中と供用後で170年管理することになる(引用元より原文ママ)」との試算を示したとあります。そして、その後管理期間を巡る議論は深まらないまま、このワーキンググループの上部組織の戦略検討会は汚染土の用途ごとの目安を示して、再利用を6月7日に了承したとのことです。
 環境省がこの基本方針を決定したことにより、道路に再利用する汚染土管理についての安全判断が先送りとなりました。これまでも、先送りの先例として、原発からの使用済み核燃料の処理問題があったわけですが、またかという感じです。10万年という使用済み核燃料の管理と比べれば、この170年という期間はまだ想像がつく範囲です。今から170年前と言えば、1846年ということで江戸時代末期です。それからの170年で、日本国内は大災害や戦争などを経ています。この5年でも東日本大震災や平成28年度熊本地震によって道路が寸断され、断層が現出した場所がありました。盛り土の耐用年数に70年という指標があるといっても、このような災害で耐用年数に達さずとも汚染土が表出する可能性はいくらでもあります。
 放射性物質の管理の基本は拡散させずに一箇所に集めておくというものです。しかし、環境省は、福島県内だけで推計で最大2200万立法メートル(東京ドーム18個分)もあるとされる汚染土の管理に限界を感じ、できるだけ再利用をして、拡散させることを選択しています。その矛盾を取り繕うために100ベクレルに減衰するまで管理すると言っていますが現実的ではありません。また、実際に再利用するとなった段階で瓦礫問題のときと同じように反対運動が起こり、市民の分断があるかもしれません。瓦礫処理は後になり、全国で処理せずとも間に合うことが判明して、環境省の試算が誤っていたことが分かりました。これには環境省の利権の獲得と分断を作る思惑があったのではないかとも取れます。同じようなことが起こることが、この汚染土の再利用でも十分に考えられます。
 私は、放射性物質の管理の基本に従うべきと考えますので、この環境省の方針には反対です。いくつも疑問が湧く方針ですが、もう一度基本に戻って議論を深めてほしいと思います。同じように先送りとした結果が、第1原発事故という最悪の事態に繋がったからです。                                    

(あべひろみ)

 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連記事

ジャーナリズム? 政府広報?

飯舘村長泥地区で行われることになった、覆土無し除染土壌使用による食用作物栽培実証事業。それが判明したのは、大島堅一教授の行政文書開示請求によ…

『省令改正「時期尚早」指摘相次ぎ見送り?』 しかし…

8月7日~9日にかけて、福島県内の新聞、テレビのニュースでは、飯舘村長泥地区で除染土を覆わずに野菜の栽培の実証実験が行われていることが報じら…

コシアブラが、フリマアプリ等で個人売買されている問題点

 フリマアプリ等で購入したコシアブラが100 Bq/kgを超過した件で、前回アップした経緯以外に補足したいことがあります。以下、前回と重複す…

ヤフオク!、メルカリ購入のコシアブラで基準値超過の顛末

 6月1日に東京新聞で「ヤフオク、メルカリなどで放射性セシウム基準値超えの山菜出回る」「まだ警戒必要なのに…国会ではセシウム基準値緩和の議論…

甲状腺検査についての新しい動き

2月13日13時30分より第37回県民健康調査検討委員会が開催され、その内容についての報道がNHK福島で『甲状腺学校検査反対で実態調査』とし…

ページ上部へ戻る
Translate »