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切り干し大根プロジェクト再び
11月29日、東京で開催された『高木仁三郎市民科学基金 第6回 放射能測定活動に関する「研究交流会」』に参加しました。そこで、『リネン吸着法による大気中の粉塵の放射能調査【福島老朽原発を考える会(フクロウの会)】 』という発表を聴きました。リンネル(亜麻の繊維を原料とした織物)を干す事によって、ハイボリュームサンプラーを使用せずに大気中の粉塵を捕まえるという事で興味深い実験です。
2年前に、うちでもタオルを丸1日干してセシウムがどれくらい付着するかという実験 をしました。その時はタオル2枚を使用して、セシウム合算4.84Bq/kgでした。また、そこから発展して、「切干大根プロジェクト」 も行いました。その中で一番高い切り干し大根は200Bq/kgを超えるという、興味深い結果を得ることができました。
それから2年が経過しました。現在の状況はどうなっているのか、再び「切り干し大根プロジェクト」を行う段取りを組んでいますが、その前のテストケースとして、11月下旬に山形県苅田郡蔵王町遠苅田温泉七日原の大根を使用して1週間外干しをし、測定を行いました。干した場所は福島市南沢又の2階ベランダになります。
ちなみにここの空間線量は0.16μSv/hです。屋根に検出器部分を向けると向けると、0.20μSv/hに上がります。
6日間外干しをしました。果たして、結果は?
外干しした6日間の天気です。
11月22日(土) | 晴れ |
11月23日(日) | 曇り |
11月24日(月) | 晴れ |
11月25日(火) | 雨 |
11月26日(水) | 雨 |
11月27日(木) | 晴れ |
6日後の大根の状態
切り干し大根
セシウム134 0.90Bq/kg
セシウム137 2.12Bq/kg
セシウム合算 3.0Bq/kg
この大根は、干す前は検出限界値0.17Bq/kg未満で不検出でした。一般に大根は、干して切り干し大根にすると水分が飛んで10分の1に濃縮されます。今回検出したセシウムの数値からいっても、元々大根にあったセシウムが濃縮されたのではなく、外干しすることで新たに付着したと考えられます。
ちなみに、上の画像にある通り、同じ大根を同時期に内干しをしましたが、1.53Bq/kg未満で不検出でした。
2年前は場所によって、10倍の差がつく結果もありました。ただ、干し方の統一がされていませんでしたので、今回はそれも統一して行います。結果を報告できるのは年明けになってからになりますので、もう少々お待ちください。
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