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桃

201212/1

福島の桃

福島の特産品として桃があります。木になる果物ですから畑で採れる野菜に比べるとセシウムを貯めやすいです。昨年も是非測りたかったのですが、当測定所も昨年の夏はまだ測定器がLB200しかなかった為、セシウム各核種を測れる体制がありませんでした。

LB-200 ドイツ・ベルトールド社製「通称:ベクレルモニター」
LB-200はガンマ線総量(Bq/kg)を測定する。今回の放射能漏れで発生した人工核種であるセシウム-134、セシウム-137、ヨウ素-131と天然に存在するカリウム-40を識別できない。ベクレルモニターの役割は、想定外の放射能漏れ事故直後に、いまだ検査体制が整備されない状況下で、高濃度に汚染された食物を口に入れないようにすることにある。[CRMS NewsLetter Vol.1より]

 

昨年9月からAT1320Aでの測定開始となったので今年の測定値と比較出来る物がありません。比較は出来ませんが今年CRMSネットワーク内の測定所で測定した数値を上げてみます。

【福島産桃】
産地 Cs-134 Cs-137 測定所
伊達郡桑折町 2.96±0.92Bq/kg 5.18±1.08Bq/kg 福島市
伊達郡桑折町 1.60±0.23Bq/kg 3.07±0.27Bq/kg 福島市
伊達郡桑折町 4.23±2.23Bq/kg 4.32±2.72Bq/kg 福島市
伊達郡桑折町 3.70±2.37Bq/kg 4.41±2.85Bq/kg 福島市
伊達市霊山町上小国 6.91±3.61Bq/kg 11.66±4.39Bq/kg 伊達市
伊達市霊山町下小国 6.64±3.68Bq/kg ND(<5.00) 伊達市
伊達市霊山町下小国 9.21±3.76Bq/kg 13.41±4.72Bq/kg 伊達市
伊達市霊山町下小国 11.10±4.69Bq/kg ND(<6.46) 伊達市
伊達市月舘町糠田 5.61±0.28Bq/kg 9.38±0.38Bq/kg 福島市
伊達市 7.03±3.00Bq/kg 4.64±3.24Bq/kg 福島市
福島市松川町浅川 2.36±1.60Bq/kg 3.31±1.79Bq/kg 福島市
二本松市(towa) ND(<5.11) ND(<5.71) 二本松市東和町
須賀川市和田 ND(<2.96) ND(<2.85) 銀河(須賀川市)

 

これらの数値を高く見るか低く見るかは人によって違うと思います。

さて、福島では伊達産の桃を原材料とした「桃の恵み」というジュースがJA伊達みらいから販売されています。今回はこの桃ジュースを測ってみました。

 

実は今回測る前に今年の1月にAT1320Aで43200秒(12時間)測定をしています。
それが下の測定結果です。

 

AT1320Aで43200秒(12時間)測定
      Cs-134 ND (<1.47Bq/kg)
      Cs-137 ND (<1.62Bq/kg)

NaIシンチレーターですが12時間かけた測定ですので検出限界値も低く、またスペクトルにも明確なピークは見えません。当時はまだ事故前の桃を使用した物が出回っているのでは?とスタッフの中で意見が出ました。
そして次が11月に購入した物の測定結果です。

 

Ge半導体検出器で61200秒(17時間)測定してみました。
測定時間が長いのは70ml容器を使用した為です。

      Cs-134 1.52±0.33Bq/kg
      Cs-137 2.46±0.37Bq/kg

セシウムを合算しますと3.98Bq/kgなります。
数値から言っても今年産の桃が原材料に使用されていそうですね。
一缶190gとなっていますので、これを一缶飲み干すと約0.75Bq/kg取り込む事になります。
桃を一個分食べるよりも同量のセシウムを取り込みやすそうです。

(あべひろみ)

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