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第58回 日本甲状腺学会学術集会市民公開講座 「放射線と甲状腺、震災後4年を経て」に参加して
11月7日の市民公開講座は、山下俊一氏(長崎大、福医大)と鈴木真一氏(福医大)両氏の司会のもと福島市で開かれました。
最初の「甲状腺の働きとその異常」(医学博士 村上司氏)は、乳頭ガンの画像を紹介しながらの解説で、分かりやすいものでした。「外科の立場から見た甲状腺疾患~チェルノブイリ原発事故後の検診経験と福島事故後の現状〜」(日大 清水一雄氏)では、胸のあいた服でも傷がわからないように、鎖骨のかなり下にメスを入れる方法があることを紹介していました。「放射線被ばくと甲状腺」(長崎大 高村昇氏)では、
①被曝量は大したことないこと(ガラスバッチでの実測値よりもかなり低い値であり、回収率が30%未満?の線量調査であるにもかかわらず)
②線量からすると原発事故との因果関係は考えにくいという、相変わらずの内容でした。最後は「震災後の住民とのコミュニケーションの形」(福医大 松井史郎氏)と題しての報告でした。県外から医大に来た方で、「これからも少人数での説明会を進めていくよう、安全だ安心だとは言わないことが信頼につながると悟った」と話していました。
録音も撮影も禁止で、資料もなし。最後の質問のコーナーについても、基本は発表者への質問となっていたのですが、この時とばかりに市民から山下氏本人への質問が相次いぐ状態になりました。しかし、それを高飛車に蹴った山下氏のまとめは「市民とのコミュニケーションをとっていきましょう。」でした。小ホールはガラガラ。いろいろな意味で参考になった講座でした。
(さとう さなえ)

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