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土壌プロジェクト第1期報告会に思う

 11月22日(日)、「みんなのデータサイト」(以下、データサイト)で進めている「東日本土壌プロジェクト」第1期報告会が東京の南部労政会館において開催されました。報告会は、「データサイト」参加測定室以外に一般の参加者も交えてのイベントでした。その中でいろいろな発表があったのですが、今回は1,200件の土壌測定データが登録、マップ化されていることに絞って報告します。なお、その日の午前中に「データサイト」総会も合わせて開催だったため、私をはじめ参加スタッフは福島市を午前4時半に車で出発するという、かなりの強行軍になりました。
 現在、Webの「データサイト」には、マップに緯度経度で採取地点をポイントし、クリックすると、その土壌が1kgあたり何ベクレルであるかといった視覚的に分かりやすいマップ図と、全データを一覧できる表の2種類があります。このマップは今、チェルノブイリの区域分けを参考に色分けをし、視覚的に捉えやすくして公開していますので、ぜひご覧ください。
17都県マップ色分け版

MDS_soil-17

土壌マップつくりに力をお貸しください

 このマップをとおして、採取地域にバラつきがあるという課題が見えてきました。“東日本17都県の土壌マップ”を作るという趣旨で始まったのですが、東北では岩手県と宮城県、関東では東京都、埼玉県、神奈川県、山梨県のデータは充実していますが、それ以外の地域についてはまだまだといった状態です。データが揃っていない地域には様々な理由があるでしょう。日本海側の地域は汚染の度合いが少ないとして関心が低い、地域に「データサイト」に参加している測定室がないなど。なかでも、福島県のデータが集まっていないということについては何とも残念です。
 福島の採取件数が低いのは、主に2つの理由があると考えます。1つは、このプロジェクト「2011年3月12日以降に除染をやっていない、事故当時の環境で採取する」となっている採取基準です。福島県内では公共施設は真っ先に除染が進められ、一般の住宅の除染もかなり進んでいます。事故から4年半が経過した今、採取できる地点というのが非常に限られているためです。そして、2つ目は、人々の汚染土壌への関心です。事故後4年半が経過した今、わざわざ土壌のセシウムの数値を積極的に知りたいという人が多くないのかもしれません。また、シーベルトとベクレル、そして除染の基準は表面汚染計によるCPM(1分間の放射線のカウント数)なので、その関係性にピンときていないのかもしれません。3年前の放射能に対してもっと関心があった時であれば、もう少し反応があったかもしれません。2015年の現在、多くの人は放射能問題に対して、ある種のあきらめを持っていると感じます。この土地に住む当事者だからこその事象なのかもしれません。
 しかし、今回の原発事故による災禍をなかったかのようにしてしまうのは早すぎます。まだ、原発事故は収束もせず、汚染の状態を評価、検証をひとつもしていません。国が手をつけなかった土壌マップの作成を一般の人々の力でやろうというのが、このプロジェクトです。こうしたマップにすることで、空間線量を測定しただけでは分からなかったことが発見できます。復興は、足元を再確認してこそ前に進めると思います。その一つがこの土壌マップです。皆さんのお力を貸していただければと考えておりますので、よろしくお願いします。協力いただける場合は、連絡お待ちしています。

(あべひろみ)

 

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