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放射能測定

除染の効果

 福島市における除染作業は面的に住宅全戸の除染がされ、わたしの自宅も2015 年3 月に除染が行なわれました。その一月前に土壌を採取し放射能測定をしていたので、今回、除染後の土壌測定をして比較をしました。

 除染前の土壌は、二年前の2015年2月8日に採取しました。採取地点は西に畑が、東に家屋があるという場所で、畑と家屋のちょうど真ん中くらいの位置になります。【図01】ここでの空間線量は、日立アロカのサーベイメーターTCS-172B を使用して測定しました。【図02】

【図01】 採取地点見取り図

【図02】 日立アロカTCS-172B (※表示されている測定値は、屋内での数値ではありません)

空間線量
地上1m : 0.402 マイクロシーベルト/ h
地上5cm : 0.648 マイクロシーベルト/ h

 空間線量は検出器を向ける方向によって変わりますので、この数値は採取地点を中心とした、四方向の平均になっています。具体的には、遮蔽体になっている家屋以外の、畑の方向に向けると線量が高くなりました。
 土壌の採取は、縦20cm 横10cm 深さ5cmで行い、これをNaI シンチレーターAT1320Aでセシウムの放射能測定をしました。結果は以下のとおりです。

セシウム134 : 407 ベクレル / kg
セシウム137 : 3570 ベクレル / kg
セシウム合計 : 4680 ベクレル / kg

[2015 年2 月9 日測定]

 このあと、わたしは「みんなのデータサイト」の『東日本土壌ベクレル測定プロジェクト』で福島県内の土壌の放射能測定をしましたが、この数値は高めのほうに分類されるものです。そして、自宅は、この二週間後から除染が始まり、表土の入れ替えが行なわれました。しかし、畑は同じ敷地内にあっても宅地除染の対象から外れるらしく、手つかずとなりました。そのため、客土として入った土と元からの土の色が違い、除染が行なわれたかどうかは一目で分かるようになりました。
 それから二年が経過した2017 年2 月16 日に、同じ場所から土壌を採取しました。空間線量を測定すると、5cm 地点の数値は3 分の1 以下に下がっていましたが、1m 地点は3分の2 程度しか低下していませんでした。また、1m と5cm で数値の逆転現象も発生しています。

空間線量
地上1m : 0.256 マイクロシーベルト/ h
地上5cm : 0.19 マイクロシーベルト/ h

土壌を前回と同じ要領で採取し、今回はゲルマニウム半導体検出器で放射能測定をしました。

セシウム134 : 0.63 ベクレル / kg
セシウム137 : 3.33 ベクレル / kg
セシウム合計 : 3.69 ベクレル / kg

[2017 年3 月20 日測定]

 この結果から、入れ替えた土壌は、セシウムによる汚染がほとんどないことが分かります。しかし、畑がセシウムの線源として残ってしまったため、1mで0.23マイクロシーベルト/h を下回ることができませんでした。【図03】そして、土壌の入れ替えの効果によって地表近くの5cmのほうが1mよりも空間線量が低い結果となっています。また、畑に面していない玄関周りは1m で0.13マイクロシーベルト/ h となっていて、除染の効果は一定程度見られました。

【図03】 手つかずの畑

 今回、除染の前後の測定をして思ったのは、面的除染といっても住宅地のような地域はある程度の効果が見られるでしょうが、田畑に面していたり、里山の地域は限定的な効果になるだろうということです。そして、いかに汚染のない土に入れ替えても周りの影響のほうが大きいということでした。                     

( あべ ひろみ)

 

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