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指定廃棄物の行方
「指定廃棄物」とは、放射能濃度が1キロ当たり8,000ベクレルを超えるごみ焼却灰、下水汚泥、汚染された稲わらなどです。最近、この「指定廃棄物」を巡る問題が盛んにニュースに取り上げられています。以下に、この一カ月間に報じられたニュースをピックアップしました。
魚拓
指定廃棄物受け入れ 富岡、楢葉了承 全国初の処分場 (福島民友 2015年12月4日)
魚拓
指定廃棄物処分場 栃木・塩谷町「候補地を返上する」 (毎日新聞 2015年12月7日)
魚拓
福島、最終処分場搬入まで1年程度 住民帰還に影響も (共同通信 2015年12月8日)
魚拓
指定廃棄物の最終処分場、宮城の3候補地が「返上」表明 (TBS 2015年12月13日)
魚拓
指定廃棄物処分場 千葉市が受け入れ拒否 (NHK 2015年12月14日)
魚拓
飯舘村長「受け入れられぬ」 宮城・加美町長「指定廃棄物、飯舘で」(福島民友 2015年12月16日)
魚拓
国は、放射性物質汚染対処特措法に基づき、宮城、福島、栃木、群馬、茨城、千葉の6県に「指定廃棄物」の最終処分場を1カ所ずつ建設する予定です。法律では、各県で発生した「指定廃棄物」については、その県の最終処分場で一元的に管理する方針を定めています。総量は16万6千トンです。また、最終処分場という名称のために紛らわしいのですが、これは東京電力福島第1原発事故で放射能汚染された「指定廃棄物」を処分するための施設のことで、いわゆる使用済み核燃料を処分するための最終処分場ではありません。
福島県は、100億円の交付金と引換に受け入れるとしたものの、他の5県の候補地となった市町では最終処分場の受け入れを拒否し、福島県に集約しての処分を求める意見も出ています。当然、福島県内からは反発の声が出ています。
福島県内の最終処分場については新たに専用の施設を建設するのではなく、富岡町の既存の産業廃棄物処理場を国有化し、一部改良して使用する計画です。そのような中で、富岡町は2017年4月の帰還開始を目指すとしています。
そして、除染廃棄物の行方
このような「指定廃棄物」の他に、除染で出た「除染廃棄物」の処理問題があります。この「除染廃棄物」は言葉のとおり、除染作業で出た土壌や草木になります。この「除染廃棄物」の量が膨大となるため、現時点で最終処分の方法が決まっていません。減容化(焼却)した後でさえ、約1,600万㎥~2,200万㎥の量が見積もられています。「指定廃棄物」の100倍を超える量です。ただ、福島県では焼却して減容化したあと、中間貯蔵施設に30年間保管するとの計画を示しています。
さらに詳しい話は、次回に。
(しみずよしひろ)
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