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出荷制限品が流通していた問題

 11月に入って、福島県内で国から出荷制限のかかっている農産物が流通するということが3件立て続けに起こりました。これらを報じた福島民友の見出しを下記に記します。

検査前の農産物流通 福島と二本松の2店舗で自主回収 (福島民友 2015年11月11日)
魚拓

出荷停止の福島市産ユズ販売 食品基準値以下か (福島民友 2015年11月19日)
魚拓

収穫自粛の「ユズ」販売 広野町産、道の駅よつくら港で (福島民友 2015年11月21日)
魚拓

「農産物検査」周知足りず 出荷制限品目流通、新たな風評懸念 (福島民友 2015年11月24日)
魚拓

 最後の『「農産物検査」周知足りず』については、それまで3件あった出荷制限品目の流通問題について1面トップで取り上げた記事です。今回、流通したのは大豆、小豆、ユズ3品目です。それぞれ、事が発覚したあとに県が放射能測定をしたところ、6.1Bq/kg、5.7Bq/kg、6.4Bq/kgと基準値(100Bq/kg)を超えたものはなかったことがわかりました。
 福島民友の記事は、「道の駅よつくら港では、県いわき農林事務所の指導を受けながら、生産者に検査徹底などを呼び掛けているが、収穫自粛の情報は把握せず、末端まで周知することができなかった。」「県が、福島市と広野町のユズが販売された原因を調べたところ、生産者、小売店ともに出荷制限品目であることを知らなかったという。」「検査前の豆類が販売された原因については、本来は県の検査が必要だが、“自主検査で基準値を下回れば問題ない”など、生産や販売側に検査制度への誤認があった。」と報じています。出荷ルールとしては、複数回の測定をし、その測定値の結果により収穫自粛、出荷自粛の品目を決め、それらが確実に基準値を下回ることを確認するまでは解除しないとなっています。
 3件立て続けというのは偶然かもしれませんが、原発事故から4年半以上が経過して、生産者や流通者に緊張感が薄れたために起こったのではないと思われました。確かに、この4年半でセシウムの検出する値は確実に下がっていて、基準値を超えるのは限られてきています。そうであっても、流通に乗せる場合に安全性を確保するために設けられたルールなのです。
 しかし一方で、「多少セシウムの数値が高い物を食べても大丈夫」ということが国や県といった行政から発せられています。このようなアナウンスが“緊張感の薄れ”を助長させているのではないかとも考えます。「風評被害」という言い方も「大丈夫な物を出しているのに…」といった心情からくるものです。原発事故から受けたのは「実害」です。その事実を真摯に捉えなければ、また同じことが繰り返されます。最後に、福島民友の11月24日版の最後の一節を引用します。
・・県消費者団体連絡協議会は、「行政や一部の流通・販売側に(必要な検査などをしなくとも)もう大丈夫だという意識がどこかにあるのではないか。食の安全は絶対に忘れてはならない」とくぎを刺す・・・ 

福島県内で制限されている主な品目

区分 品目 産出地 制限内容
野菜 非結球性葉菜類
(ホウレンソウ、コマツナなど)
南相馬市(福島第1原発から半径20km圏内の区域と旧計画的避難区域に限る)、
川俣町(山木屋の区域に限る)、
富岡町、大熊町、双葉町、浪江町、葛尾町、飯舘村
摂取・出荷
結球性葉菜類
(キャベツ、ハクサイなど)
摂取・出荷
アブラナ科花蕾(からい)類 摂取・出荷
カブ 出荷
ワサビ
(畑で栽培されたものに限る)
伊達市、川俣町(山木屋の区域に限る) 出荷
エゴマ 南相馬市(旧原町市と旧鹿島町の区域に限る) 収穫
ウコギ 福島市(旧松川町の区域に限る) 収穫
トウガラシ 浪江町 収穫
果実 ウメ 南相馬市(福島第1原発から半径20km圏内の区域と
旧計画的避難区域に限る)
出荷
川俣町(山木屋の区域に限る) 収穫
ビワ 南相馬市(福島第1原発から半径20km圏内の区域と
旧計画的避難区域に限る)
出荷
ユズ 福島市、伊達市、南相馬市、桑折町 出荷
川俣町(山木屋の区域に限る)、広野町 収穫
カキ 南相馬市(福島第1原発から半径20km圏内の区域と
旧計画的避難区域に限る)
出荷
キウイフルーツ 南相馬市(福島第1原発から半径20km圏内の区域と
旧計画的避難区域に限る)
出荷
アケビ 伊達市 出荷
ギンナン 伊達市(旧保原町、旧月舘町、旧霊山町の区域に限る)、
南相馬市(旧原町市の区域に限る)、
川俣町(山木屋の区域に限る)
収穫
福島民友 2015年11月24日版より

                 

(あべひろみ)

 

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