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20172/9

【報告】食品に関するリスクコミュニケーション「食品中の放射性物質の検査のあり方を考える」

 消費者庁、内閣府食品安全委員会、厚生労働省、農林水産省が共同で主催する、『食品に関するリスクコミュニケーション「食品中の放射性物質の検査のあり方を考える」』01という『食品中の放射性物質に関する意見交換会』が1月下旬から2月中旬にかけて開催されます。この会は、福島、東京、大阪と三回開催されるのですが、わたしは1月30日に開催された福島の会(福島県郡山市 ビッグパレットふくしま)に参加したので、その報告をいたします。


< 話し合いの目的の要旨 >


東京電力福島第1原発事故後、これまで40億円をかけて行なってきた食品放射能検査のコストについて。
02
「これまでの検査結果の現状から、そろそろ縮小する時期になったのではないか。食品放射能検査のガイドライン見直しに向けて、みなさんから忌憚のない意見をいただきたい」


< 参加して良かったこと >

● 参加申込フォームに質問欄があったので記入して送ったところ、質問した原文付受付票が送られてきました。しかも、当日の配布資料に質問が一覧となって開示されており、きちんとしたリスクコミュニケーション方法がとられていると感じました。

● やっぱり、お役人からは「コーデックス基準の1,000ベクレル/kgに比べ、日本の100ベクレル/kgはかなり低い03」との発言がありました。また、福島県立医科大学付属病院の放射線腫瘍学講座 助教の佐藤久志医師からは、ベクレルをシーベルトに換算04した数値から、「このくらいのレベルで、何故こだわっているのか不思議」というお話があり、わたしは「あ~あ、100ベクレル/kgという『数字』が、さも十分に低い科学的見地であるように見せてるな~」と認識することができました。

● そのうえで、以下のわたしの意見を伝えることができました。

「わたしは、『ひとりの命は地球より重い』と思っているので、40億円など、安いものだと思います」

「放射能検査をしなくなれば、「どうせ、検査しないんだから」と、対策がおろそかになり、再び放射性物質が作物に移行してくることが考えられるのではないでしょうか」

「直接、チェルノブイリ周辺で支援活動をしている方から、「果樹の根の先に放射性物質が染み込んでくる6~7年後にどうなるかよく見ていく必要がある」とお聞きしています。検査の縮小は早すぎると言わざるをえません」

「『数字』によって、みんながすっかり騙されているように思えます。例えば、コーデックス基準は1,000ベクレル/kgだから日本の100ベクレル/kgは十分に低いとおっしゃいますが、ベラルーシやウクライナの主食の基準は20ベクレル/kgとか40ベクレル/kgです。毎日食べるお米で100ベクレル/kgは高過ぎです。ICRPのパブリケーション111の表05でも、一回に1,000ベクレル食べても、その後食べなければ確実に体から出ていき、千日後にはほとんどなくなりますが、1日1ベクレルでも食べ続けると体に貯まりますし、1日10ベクレル食べ続けると、千日後には1,400ベクレル( /ボディ )になることが知られています。
忌憚のない意見とのことなので申し上げますが、佐藤久志先生がここに呼ばれているのは、「このくらいの放射線量は、まったくたいしたことない」と言わせるためなのではないでしょうか?
質問一覧の12番目は私の質問なのですが、

①:塩分の摂り過ぎで高血圧などの生活習慣病を引き起こすように、セシウムの取摂り過ぎでも同様のことが起こると考えられますがいかがでしょうか。

②:カリウムの排出が悪い腎疾患の方がカリウム摂取を制限するように、腎疾患の方はセシウム摂取を制限すべきと考えますが、いかがでしょうか。

③:放射線の種類がカリウムと同じだからまったく心配ないというお話をされる方がいらっしゃいますが、その論理はかしこい用心を妨げ、生活習慣病を引き起こしかねないと感じます。いかがでしょうか。セシウムはイオンが大きくカリウムに比べ体からの排出速度が遅いため、ナトリウムやカリウムに比べ注意を要すると思うのですが。なぜ、血液内科や乳腺科、高血圧とかの生活習慣病系のお医者さんがいらしてないのでしょうか?

そして、次の回答を引き出すことができました。

1) 体の中のセシウムは微量なので、生活習慣病を引き起こすことは考えにくい。セシウムの量が問題。(ということは、貯まらないほうが良いということ)

2) 土の種類や森のしくみにより放射性物質は染み込みにくいが、砂地などは染み込みやすい(ので、注意が必要)。
 

 他の方々からも、100ベクレル/kgの基準についてもっと話し合うべきでは?とか、消費者団体の昨年実施したアンケート結果では7割の方が検査の継続を求めている06など、質問や報告などが出され、とても良いコミュニケーションがとれた会になったと思います。

(さとう さなえ)


注釈

※01
「食品に関するリスクコミュニケーション ~食品中の放射性物質の検査のあり方を考える~」の開催及び参加者の募集について

※02
「食品中の放射性物質検査 新年度ガイドライン改正」
 福島民報 2017年1月31日 2面掲載
「食品放射性物質意見交換会 国が検査計画修正案」
 福島民友 2017年1月31日 4面掲載
「食品の放射性物質検査で国 コメなどで新指針案 取りやめに向け新基準」
 朝日新聞 2017年1月31日 福島版
「東日本大震災:福島第1原発事故 東日本の農林水産物、放射性物質検査を縮小 農水省指針案 」毎日新聞 2017年2月3日
 
 山菜や野生きのこ、海産物といった管理しにくい自然物は食品放射性物質検査を継続し、栽培や飼育時に放射性物質が取り込まれないよう管理されている農産物は、過去3年間の検査で継続して50ベクレル/kgを下回っていれば、自治体が検査対象から外してもかまわないという提案がされた。ただし、福島県はこの対象から除外され、当分検査を継続する方針とのこと。28年度末までに国の原子力災害対策本部が新年度の新指針を決め、29年度に改正して対応する方針。
 東京会場について報じる毎日新聞以外の福島県内地元紙の記事からは、上記レポートの会場のやり取りは分からず、改正案の露払いが行われたという印象を受ける。

※03
<焦点>原発事故後の風評被害「基準値が助長」 | 河北新報オンラインニュース / ONLINE NEWS
 2015年12月20日の河北新報の1面トップ記事として、日本とコーデックス委員会、アメリカやEUといった国々の基準値を比較し、日本の基準が厳しいために風評被害を招く側面があるとの声を紹介している。
『原子力規制委員会の田中俊一委員長「100ベクレルは国際的には異常に低い。『だから(風評)被害が甚大だ』と言う首長が何人かいた」』
 そういった意見がありながら日本が海外に比べ低めの基準を用いているのは、『日本の基準値が低いのは、原発事故の当事国として影響を受けている食品の割合を50%と、米国(30%)や欧州連合(EU、10%)より大きく見積もっていることが主因だ』と説明している。
 また、当時の厚生労働省基準審査課は『「基準値に意見があることは承知しているが、見直すことで不安を与えたり市場に混乱を招いたりする恐れがある。現時点で見直すべき科学的根拠もない」と当面は維持する考えだ』との判断をしている。
 ここで出てくるコーデックス委員会とは、『消費者の健康の保護、食品の公正な貿易の確保等を目的として、1963年にFAO及びWHOにより設置された国際的な政府間機関であり、国際食品規格の策定等を行っています。我が国は1966年より加盟してます』と、農水省のサイトで解説している。

※04
「ベクレル」1秒間にどれくらいの数の放射線が出ているかの単位
「グレイ」放射線がどれくらい吸収されたかの単位
「シーベルト」人体にどれくらいの影響があるかの単位
 これらをバケツにいれたボールで考えると、「ベクレル」はバケツからボールをばらまいた数で、「グレイ」はそのボールが当たった数、そして「シーベルト」は人がそれによってケガをした数を表わす。
( あさりよしとお作 まんがサイエンスⅩⅣ 「放射線ってナニモノ?」より )

※05
ICRP Publication 111 P29 図 2.2 1000 Bq の137Cs を一度に摂取した場合と,毎日 1 Bq または 10 Bq の137Cs を摂取した場合の,全身放射能(Bq)の複数年(1000 日)にわたる変化

※06
県産米全袋検査 継続希望73% 県消費者団体連が県民調査 | 東日本大震災 | 福島民報
『平成28年度の県民意識調査で、県産米の全量全袋検査の継続を希望する回答は73・1%に上った。食品の安全・安心の確保に向け、現在の体制維持を求める消費者の傾向が浮き彫りとなった』(記事より)
 「福島会場でのお役人の資料には、消費者を含めて検査継続の希望は『1割』とありました。そこでフロアから、2月2日発表予定の、福島県消費者団体連絡協議会が実施したアンケートの結果は『継続7割』であることが報告されました」(さとう さなえ)
 

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