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福島こそ新しい、持続可能な社会のフロンティアである [ 3 ] 副理事長:長谷川浩

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「都会の消費者ほど行動しなくちゃいけない」

― 長谷川さんは311直後チェルノブイリにも行かれて、測定に関しても「ふくしま30年プロジェクト」の副理事長です。

長谷川 まだまだ大丈夫じゃないところはいっぱいあります。
 例えば飯舘村※10は、政府が帰還を強くすすめている状況がありつつ、住民の中にも「線量が高くても、あえて帰って耕作をしたい」という方々がいます。かたや「帰る気にならない」という方と、それは個々人によるグラデーションで、中には北海道まで避難して「孫の世代で帰還を考える」みたいな方もいる。
 そこで測定の機能として「帰るべきか」、「帰らざるべきか」ではなく、その根拠となるセカンド・オピニオンとしての数値をどう出していくか、それは問われていくことかと思います。

― 県外には今も福島産に触れない方がます。

長谷川 同時に、今支援してくださってる方の中には、「食の困難な状況がこれからくる」と。その中で、放射能のことで「0ベクレル以外は食べない」というよりは、福島のような肥沃な土地で頑張っている農家さんと繋がっておかないと「近い将来、遺伝子組換えとか、ジャンクなもの以外は買えなくなる時代がくる」と。そういう未来を見越して、「都会の消費者ほど行動しなくちゃいけない」と、それは自分の考えとまったく同じことを仰っていました。
 「将来食糧危機がくるから、お前も耕さないとダメだ」と言ってるだけでは、世の中は変えられない。特にボトムアップ・アプローチの時は、真面目なことはちょっと脇に置いて、楽しいことを中心に、それで時々、真面目なことを小出しにして(笑)。
 それは小高もそうです。
 今やっと、震災以降育て始めた蚕から、絹のショールが初めてつくれるそうです。その方は、「それが楽しくて仕方がない」と。ただそれも、賠償金がまだ出てるので、最低限のお金の補償があるからできている状況です。やっとせめて楽しいことを見つけることができて、それまでは、毎日泣いて暮らしてこられたという。

― 原発事故が巻き起こした困難を乗り越えられれば、福島こそのいいものが生まれてくる土壌ができつつある。

長谷川 最初の浪江の河川敷の方の話に戻りますが、「ピンチどころか、チャンスだ」と(笑)。

― 長谷川さんも、今こそ、言わんとされてきたライフスタイルや価値観を、福島の地からこそ、より説得力を持って伝えられる。

長谷川 自分はこの前まで中通りに住んでいて、今は会津にいるわけです。それが、一番被害を受けた浪江や小高の人から、そこまでの超ポジティブ・シンキングな発想を聞くというのは、すごく頼もしく感じる体験です。だって、自分みたいな立場の人間が大変だった地域について「チャンスです」と言ったところで、「何を馬鹿なことを」って(笑)。

― 「原発から6キロ」と聞くだけで、東京からは、「とんでもない」という声も聞こえてきます。

長谷川 ワーキング・プアになって、非正規雇用すら解雇されて今日食べるものにすら困る難民になるのと、原発から6キロでも、放射能的に「東京よりクリーンです」と胸を張れる場所で、豊かな気持ちで暮らすのと、今日の話では、その両方があると。
 私自身としては、「福島こそフロンティアである」と。つまり、福島を「新しい、持続可能な社会のフロンティア」と考えているわけです。
 福島はもともと一次産業が基幹産業の県であり、それは浜・中・会津どこでもそうですが、その復興なしに福島の復興はありえません。

― ただでさえ日本の一次産業は軽んじられてきました。

長谷川 もうすぐ日本の就農人口は200万人を切ります。それは人口全体の2%もいなくて、しかも直線的に減っているので、このままいくとすぐ100万人を切る時代がきます。

― 冗談でなく、絶滅危惧種になってきた。

長谷川 そこで大事なことは、まず県内で繋がれる人と繋がる。農家の一番の自己表現は売ることであり、販売を通じて味をわかっていただく。そしてそうはいっても、有機農業の世界の技術は無限大に広がりがあるくらい深い世界なので、腕もしっかり磨く。
 そこから先は、今後農業だけじゃなく、農村の人口も高齢化でどんどん減っていくので、いくら頑張っても維持できない限界点がくるわけです。大前提として「正当な価格で買ってもらう」ということはありつつ、農繁期に少しでも手伝い、戦力になってもらう。最初は足手まといにもなりますが、放っておくと、農家の自給は現状200円です(笑)。その次くらいに、移住とか、2次居住とか、大局的には移り住む人がいないと集落の機能は維持できません。
 ここで最初の価値観の話に戻りますが、団塊の世代から上の人たちは、右肩上がりの社会を生きてきたんです。こういうことに携わってる方々ですら、多くは、東京ベースの利便性、物質的な豊かさを捨てられない。

― 下の世代が、方向転換せざるをえない。

長谷川 もちろん若いから未熟ではあるんだけれど、最終的には彼らに任せるしかない。失敗は自らの責任で、そしてその中から「自産自消」なり「市民皆農」なり、切り拓いていく人が出てくる。そしてその他大勢は、本当に危機的状況になったら慌てふためいて方向転換するでしょうが、それで間に合うかどうかは、社会レベルでも個人レベルでもわかりません。
 自分は「福島が最先端である」と思ってはいるけれど、東京で「歳をとりすぎて」とか、「収入が不安だから」とか言ってる人に怒ったって仕方ないわけです。だから、それぞれができることをやっていく。それこそ農家の言い値で野菜を買ってくれるとか、まずはそういうことでいいわけです。


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ビオクラシー 福島に、すでにある

著者:平井有太
発行:SEEDS出版
発売:サンクチュアリ出版
定価:2,000 円 (税込)


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